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京都国際映画祭2016オープニングプレミア作品「MIFUNE:THE LAST SAMURAI」上映!!

2016年10月13日(木) レポート

10月13日(木)、いよいよスタートした京都国際映画祭2016。
そのオープニングを飾るにふさわしい作品が、京都・よしもと祇園花月にて上映されました。
その作品とは、日本を代表する名優・三船敏郎氏のドキュメンタリー「MIFUNE:THE LAST SAMURAI」です。
オープニングプレミア上映を記念して、会場にはアンバサダーの名取裕子さん、今作のコンサルティングプロデューサーであり、三船氏の孫でもある三船力也さん、脚本のStuart Galbaraith4世さんが登壇、舞台挨拶を行いました。

アカデミー賞短編賞の受賞歴を持つ、日系三世のスティーブン・オカザキ氏が監督を務めた今作。
俳優・三船敏郎を知る仲間やスタッフなどの膨大なインタビューや資料などから、サムライ・三船敏郎の精神に迫るドキュメンタリーとなっています。
出演者に名を連ねるのは、日本を代表する俳優の面々。さらにスティーブン・スピルバーグ、マーティン・スコセッシといった国際的な映画人も登場しています。

舞台挨拶のMCは清水圭。
「こちらの上映から京都国際映画祭が始まります」と宣言。
早速、コンサルティングプロデューサーの三船力也さん、脚本のStuart Galbaraith4世さん、アンバサダーの名取裕子さんを呼び込みます。

まずは三船力也さんが、日本語と英語で客席に感謝を述べます。
清水から「三船敏郎さんのお孫さんです」と紹介されると、会場からは拍手が起こりました。

続いて、Stuart Galbaraith4世さんの挨拶。自分自身がスティーブン・オカザキ監督の作品をいくつも見ていることを話し、「声をかけてもらえたときは本当にうれしくて、なんでもお手伝いしようと思った」と述べると、大きな拍手を浴びていました。

続いては名取さん。
「今回はアンバサダーという大役を仰せつかりまして、この作品を拝見しました。本当に素敵な作品!」と絶賛。
「世界のミフネとして存じ上げていましたけど、合間に見える素顔、俳優・三船敏郎と監督・黒澤明のやりとり、人柄も垣間見えた」と話します。そして「以前に三船プロの玄関を掃除している三船さんにご挨拶したことがある」というとっておきのエピソードを披露。
さらに「日本人にこんな素敵な男性がいたんだ、こんないい男がいたんだ、と改めて魅力を堪能させていただきました。本当に素敵なドキュメンタリーです」と熱く語りました。

この作品には俳優・三船敏郎のプライベートな部分も出てくるとのことで、力也さんが自身の経験したエピソードを告白。
小学生のころ、ご飯を一緒に食べるのが日課だったそうで、子供番組を一緒に見ていたこと、姿勢も武士のようで「家でも侍のようなおじいさん」だったと振り返ります。
そして「刀の代わりにカーペットのコロコロを持ち歩いていたのを鮮明に覚えています」と、貴重なエピソードも話してくれました。

世界の映画にとって三船敏郎とはどういう存在ですか?という清水の問いに、Stuartさんは「三船さんという方がもし存在しなければ、西部劇というジャンルが生まれなかったかもしれない。クリント・イーストウッドもテレビ俳優で終わっていただろう。そして、今だに日本の印象はアニメ、ゴジラ、三船である」と語ります。

黒沢明監督と三船敏郎氏のコラボレーションについては「お互いを尊敬、信頼していた」と名取さん。
そして「役者は監督にすべてを預けるんですけど、今回のフィルムを見て、本当の意味で命も預けた撮影だったんだ、男と男の信頼関係、友情というか、男と男の契りの強さ…すばらしかったです」と感想を述べました。

力也さんは、今作で触れられている戦後の日本について「活気にあふれて、ハングリーで、ミフネも檻に閉じ込められている狼のようなギラギラ感があった時代」と力説。行ってみたい時代と話しました。

清水が好きな作品を尋ねると「ひとつって上げられない、用心棒、椿三十郎、羅生門…みんな好き」と名取さん。Stuartさんは「天国と地獄」をチョイス。力也さんはギラギラ感が大好きということで、「酔いどれ天使」を挙げました。

フォトセッションのあと、力也さんが、今回が最初で最後になるかもしれない、三船敏郎初のドキュメンタリーをぜひご覧ください、と改めてアピール。
Stuartさんは「クラシックの映画のシーンもたくさん出てきますので、ぜひゆっくりお楽しみください」と話し、名取さんは「私の大好きな作品です、一人でも多くの方に見ていただけますように」と続けました。
最後に、会場に来られなかった監督からのメッセージを力也さんが読み上げることに。そこには、観客やスタッフへの感謝の言葉や、初めて三船作品を見たときのエピソード、三船作品の思い出などが記されていました。ここで舞台挨拶は終了。
登壇した3人には、大きな拍手が送られました。

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