琵琶湖を舞台に贈るドラマ『Mother Lake』上映！瀬木監督らの登壇で盛り上がった舞台挨拶をレポート
2016年10月14日(金) レポート
映画祭2日目は、立誠小学校で開催されている立誠シネマプロジェクトにて『Moter Lake』が上映されました。
同作品は琵琶湖に浮かぶ沖島が舞台。
有名写真家が琵琶湖に潜む恐竜・ビワッシーの存在を信じ、人々に伝えようと奔走した日々をつづるドラマです。
今回の特別上映に際して、プロデューサーのBOSS戸田さん、瀬木監督、脚本家の作道さん、月亭太遊が登場。
滋賀住みます芸人のファミリーレストラン(ハラダ、しもばやし)がMCを務め、舞台挨拶が行われました。
最初にプロデューサーで、ヒロインの祖父役を演じたBOSS戸田さんが壇上で上映についてコメント。
「京都国際映画祭でご紹介いただき、関係者の代表としてお礼申し上げます」と感謝の言葉を述べました。
同作品は来年には全国上映が決定しており「この映画は地域共有の財産。この映画をずっと見続けていただきたいし、全国公開に向けて私も全国都道府県をまわってPRしていきます。皆さんのお友達やご家族の方に紹介いただいて、皆さんの力で育てていただきたい」と、上映への思いを熱く語りました。
そこで客席を一瞥したBOSS戸田さん、客席に座っていた出演者の子役・福家 悠(ふけ はる)君を発見！急きょステージに上がってもらうことになりました。
福家君に出演した感想を聞くと「自分でも恥ずかしいのですが……改めて、もっかいやり直したいな」というまさかのリテイク発言に、会場は大爆笑！
しもばやしが「ほかの演者さんはやりきったのに、ストイックやな～」とすかさずツッコミを入れていました。
プロデューサーのトークのあとは瀬木監督、脚本家の作道さん、落語家でお笑い芸人の月亭太遊が登場。
監督は前日まで青森で撮影されていたとのことで、新幹線で駆けつけてくれました。
監督に本作品で滋賀県を取り上げた理由を尋ねると、BOSS戸田さんに声をかけてもらったことがきっかけとのこと。
実は映画を撮る前は「滋賀県は琵琶湖以外何もないと思っていた」という監督でしたが「いざ調べてみると素晴らしい風景がたくさんあって驚いた。それを積みあげた映画になったと思う」と、滋賀県の魅力を存分に感じられる作品になったことをアピールしていました。また「琵琶湖の美しさは、風光明媚なだけではなく、いつも美しさの中に人の営みがあるのがいい。人と風景が一体となった自然環境が残っているところが素晴らしい」と思い入れを語りました。
また作道さんは、劇中で出演者の別所哲也さんと鶴田真由さんが「おったらええな、ビワッシー」と話す場面をすっかり忘れていたとのこと。
というのも瀬木監督から脚本の書き直しを34回も依頼され、何度も修正をしたにも関わらず「おったらええな～」のセリフには一切手直しが入らなかったために、記憶から抜け落ちたシーンだったからだとか。
しかし皮肉にもそのセリフが周囲からの反応もよく、「映画の印象を決める重要なポイントになった」というエピソードを披露していました。
そして普段は落語や芸人で活躍している月亭太遊は、本作品で俳優としても大活躍。
演じるのは大変だったのでは、とMCから質問されると「本当の警察官の制服を着ていたために、現場の警備担当やと思われて『トイレどこですか』とか、エキストラの方々にずっと話しかけられて、その対応ばかりだった。ただの警察官やった」と演技ではない場面での苦労話を打ち明け、会場の笑いを誘っていました。
また配役は気弱な警察官とのこと。演者の勢いのある演技に、演技ではなく本気で気おされていた様子が、いつの間にか配役通りのキャラクターに収まっていた、と告白。そんな演技とも素ともとれる太遊について、瀬木監督は「（演技の面は）未知数」と意味深に解答。
ファミリーレストランから「いい意味で？」と確認が入ると、監督から即答で「いや……」と否定され、会場を笑いで包んだ太遊でした。ちなみに作道さんはそんな太遊を次回作でオファーしているのだそう！
そしてトークショーの終盤では登壇者から観客へメッセージが贈られました。
作道さんは「1年以上前の脚本を皆さんにご覧いただき、そしてまたどこかの機会で上映されるのだろうと思うと、これが映画の素敵さなんだろうなと感激しております。これから『Mother Lake』を宜しく御願いいたします！」とアピール。
続いて月亭太遊は「自分の人生を振り返るときに浮かぶのはこの作品で……」と言ったところで、しもばやしから「そんなんええねん俳優ぶるな」とすかさずツッコミが。気を取り直して「お友達など誘ってもらって、この映画を広めてください」とコメントしました。
そして監督は「『Mother Lake』というタイトルですが、劇中にはどこにも“お母さん”は出てきていません。皆さんにとって心の“Mother”とは一体何なのかを考えてほしいと思います。悲惨な事件も多い世の中ですが、この映画を見て少しでも心が穏やかになってくれればいいな、という思いで全国に送り届けたいと思っています」と締めくくりました。
『Mother Lake』は2017年全国公開です。お楽しみに！
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