ニュース全ニュース

「映画に出られてイイ〜ネ!」横山剣さんから映像メッセージが届いた『イイネ!イイネ!イイネ!』舞台挨拶をレポート!

2016年10月14日(金) レポート

京都の街を愛するみなさまとつながり共に楽しみたいという気持ちから、京都国際映画祭には連携映画祭企画があります。
京都で開催されているさまざまな映画祭の特色を楽しんでもらおうと、映画祭の方々が推薦する作品を上映します。

イオンモールシネマ京都桂川での10月14日(金)最終上映プログラム『イイネ!イイネ!イイネ!』は、「京まちなか映画祭」との連携企画です。
映画に出演しているのは、ご存知、横山剣さん率いる東洋一のサウンド・マシーン“クレイジーケンバンド(CKB)”メンバーのみなさん。横浜で生まれ育った3人の50代男性の友情物語が、「漢江ツイスト」「生きる」といったCKBの名曲の数々とともに紡がれます。
上映前の舞台挨拶には、「京まちなか映画祭」を代表して井上恭宏さん、京都のお座敷ロックンローラー・バンヒロシさん、ロック漫筆家の安田謙一さんが登壇しました。

まずはご挨拶を兼ね、みなさんに横山剣さんとの関係性を教えてもらいます。

井上さんは「横山剣さんのすごいファン」だったこともあり「2005年の映画祭で横山さんをトークショーのゲストに迎えたい」と思ったのがはじまり。
CKBの新譜ごとに文章を寄せている安田さんを通じ紹介してもらったんだそうです。その時のトークイベントで客席にいたのが、バンヒロシさん。
井上さんは横山剣さんから「バンさんの『すっとびヒロシ五十三次』を聴いて、『まっぴらロック』を作った」と聞き、さらに「昔からバンさんのファンでもあった」という運命の巡り合わせ的な出会いがありました。
それ以来、「この3人で色々やらせてもらっています」と井上さん。

「その流れで言いますと」とつづけてバンヒロシさんが話します。
「新京極の商店街の近くに誓願寺というお寺があるんです。そこを借りて横山剣さんと何かしたいと考えていて。普段、『ロックンロールの歴史を研究する』名目でバンヒロシ大学という会をしているので、そこへ剣さんを呼んで毎年イベントをしている」仲と自己紹介。

安田謙一さんは「ずっとファンで文章を書かせていただいていて、ファンクラブの会報も書かせていただいています」と言いながら、なぜか口ごもる安田さん。
理由は、『今日映画に出てない人が登場すると噂に聞きました』とネット上にあった書き込みを発見したから。「ほんとにごもっともでございます、申し訳ない。心苦しいです」と安田さんはバツが悪そう。
というのも、みなさんは映画の出演者ではないからです。
さらに「この映画を観ているのは、(初上映された)沖縄映画祭で観てきた僕だけなんです」と安田さんがふたりを追い込む形に。見どころも語りづらいので、みなさんお待ちかねの方からの映像メッセージを上映します。

スクリーンに映し出された男性は、「どうも、みなさんこんばんわ。クレイジーケンバンドのクレイジーケンこと横山剣でございます」と会場に話し掛けます。
京都国際映画祭で上映されることに感謝を述べた剣さんは、先にもらっていた「誰かのように演じようと思いましたか?」というバンさんからの質問に答えます。
ジャガーズの岡本信さん、元組長という俳優・安藤昇さんらの「セルフカバーにリミックスが入っている」感じの演技を参考にしたとのこと。
役柄の設定で「風呂入る時も、何している時も常にサングラスとハットを外さない」アイデアを盛り込んだと話しました。
次に安田さんからの「映画に出て失敗しことと、よかったことは?」という質問です。
「失敗したな〜というのは、サングラスかな。自分のサングラスでやれば一体感が出ただろうけど、スタイリストさんにオススメされたカッコイイ方を選んでしまって」と剣さん。
「ある意味、CKBとは違う“数ミリのズレ”が出て、いいのかもしれないですね」とのことなので、ここはチェックポイントです!

しょっぱなに映るダンスホール「クリフサイド」、CKBが使用している本牧ガレージ、球場でのシーンと剣さんご本人による見どころ解説がつづきます。とりわけカーチェイスシーンはお気に入りの様子。
「一般道ではめいっぱいカッ飛ばしたくても、他の方に迷惑が掛かる。だけどサーキットに行ったら速度無制限! 追い越したり、追い抜いたりやりたい放題できる。現実的には無理だってことをできたことが映画をやってよかったことですね。じゃないとつかまってます」と、満足気に語ります。
最後はお決まりの「イイネ!イイネ!イイ〜ネ!」で締めくくられました。
とっても情報量が多い内容でしたが、編集した井上さんから「流した3倍以上の長さがあって。ネタバレしていたとこも全部カットしました」の告白が。剣さんが会場のみなさんに、映画の魅力をたっぷり届けたかった気持ちが伝わってくるかのようです。

ここで飛び入りゲストの登場です。
中野英雄さんがいらしてくださいました。
撮影現場では「ヒヤヒヤしていました」という中野さん。というのも「ちゃんとセリフが出てくるか」が不安だったからなのですが、撮影がはじまると「剣さんはみるみる芝居が良くなっていった」と変化を感じ取れたそう。
とは言え、「普段はめちゃめちゃ面白い人なんですけど、慣れないお芝居で無理しているので面白さに“制限”がある感じ」と、俳優目線で中野さんが剣さんのお芝居を分析。
「でも、そこが面白いとこなんですよね」と、安田さんは映画の魅力につながっていると推します。
相槌を打ちながら中野さんは「抜け切れていない分、歌い出すと急にパワーをバーンと発揮しています」と歌手・横山剣のパフォーマンスもしっかりスクリーンに映し出されると知らせてくれました。また剣さんと演技について悩んでいた際は、「この曲を歌う時はどうやって歌っているのですか?」とミュージシャン視点に合わせ紐解くことで、剣さんの演技のヒントになったエピソードも聞かせてくれました。
そして剣さん以外のメンバーの活躍にも触れます。「なかなかいい味を出しています。アドリブも最初の方に出てきます。すぐわかります、下手クソなんで」と中野さんがニヤリと指摘し、場内から笑い声が漏れます。

間もなくの上映スタートを前に、中野さんは「ファンの方はハラハラすると思います。初めて自分のこどもがテレビに出るみたいに」と親目線になってしまうだろうと予言。
安田さんからは「今日、来られている方はいつもCKBの映像やライヴを観慣れている方が多いかと思います。だからCKBが身近な感じなっていて、自分の身内が出ているような気持ちになるかもしれません。僕も観ながら自分が出ているような気持ちになりましたが、気楽に観てください」と鑑賞前の心構えをアドバイスされました。
そして安田さんは「観終えたら、剣さんが今まで自分がやってきたことを全部やっているんだなと、逆に再認識できる」と、熱っぽくしゃべります。ファンにとってはたまらない“剣さん集大成”映画になっているようです。

本日、鑑賞タイミングを逃してしまった方にもチャンスはあります。
映画は来年、劇場公開予定が決定しています。バンヒロシさんからは「来年、横山剣さんと企んでいることがあるので期待してもらえたら」と気になる予告もあり。続報が待たれるばかりです!

  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア