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ドキュメンタリー映画監督「森達也特集」で、「A」「A2 完全版」を上映!

2016年10月15日(土) レポート

京都国際映画祭2016で行われている「森達也特集」。
ドキュメンタリー映画監督である氏の作品を上映する特集として、よしもと祇園花月で開催されています。
10月15日(土)には、オウム真理教を扱った「A」「A2 完全版」の2本を上映。前日に引き続き、トークショーも行われました。

上映後のステージに登場したのは、テレビ東京の大橋未歩アナウンサー。
森監督を紹介し、会場は大きな拍手に包まれます。
森監督はまず「ありがとうございます」と挨拶したあと、「おつかれさまでした、僕は二本続けては見られない」と話し、笑いを誘います。だいたいは日を分けてやるとのことですが、「A2も新しいバージョンになっていて、ぜひ見てもらいたかった」と思いを語りました。

そこから作品の話へ。
元々教団自体に興味はなかったと森監督。
しかし当時は「それをやらないと仕事がなかった」という時代で、じゃあドキュメンタリーを撮ろうとなったとき、その時点で撮れるのは残っている信者だった。なので当時広報を担当していた荒木浩氏に手紙を書いた、とエピソードを披露。
手紙を出しての取材交渉に驚く大橋アナウンサーに「ドキュメンタリーの世界では、手紙は普通なんです」と答えます。
さらに、荒木氏は意外にすんなりとOKをくれたという話しも。
「あとで聞くと、自分たちを撮りたいって言ったのは森さんだけだった、手紙を書いてきたのも森さんだけ」と言われたそうで、「あくまで普通のことをしただけです」と振り返りました。

作品に登場するメディアについても言及。
「自分も施設に入って、信者たちの本当の姿を見てびっくりした」と監督。
そして「(施設に)入ってカメラを持って社会の側を観たら、なんだ、これはと。メディア、警察、一般市民、オウム側から見ると社会がよく見えてきて、またびっくりした」と話しました。
そして、自分もメディア側にいたら、登場していたメディアと同じことをやってたと思うとも。

さらに作品中で公安と信者がやりあう場面で考えたこと、登場した女性記者に対する思い、荒木氏を主人公にした理由などを語った森監督。
先日、すべてが終わったオウム裁判についても発言したほか、会場からの「A2完全版はどこが追加されたのか」「作品へ教団からのチェックはあったのか」などの質問にも答えました。

そしてここでスペシャルゲストとして、フリージャーナリストの堀潤氏が登壇。拍手が起こります。
「気楽に森さんファンとして見ていただけで…」と堀氏。作品が撮影された当時と自身の状況を思い出した、と語り、それぞれの作品について、監督とのトークを繰り広げました。

ラストはフォトセッションのあと、翌日の告知が。
京都国際映画祭2016最終日となる10月16日(日)、10時15分より、よしもと祇園花月で「ミゼットプロレス伝説~小さな巨人たち~」の上映とトークショーが行われます。
森監督は「(今日の作品と)全く作風の違う、軽いポップな作品なので、朝早いけど足を運んでくれたらうれしいです」とアピール。
拍手に包まれながら、ステージを降りました。

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