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活動弁士初体験に芸人たちが悪戦苦闘!? 「芸人が挑戦!活動弁士グランプリ」の頂点に輝いたのは、コロコロチキチキペッパーズ!

2016年10月14日(金) レポート

10月14日(金)、よしもと祇園花月で「芸人が挑戦!活動弁士グランプリ」が開催されました。
このグランプリは、活動弁士の片岡一郎さんと、無声映画のピアノ伴奏を務める柳下美恵さんが見守るなか、芸人が無声映画にセリフ、ナレーション、擬音をオリジナルで付けて出来栄えを競うというもの。

京都国際映画祭の初回から登場している片岡さんと柳下さん。司会を務める清水圭ともすっかり顔なじみですが、「今回はここから何か新しいことが始まるのではないかという期待があります」と片岡さん。

活動弁士に挑戦するのは、ミキ、コロコロチキチキペッパーズ、大自然、ザ・プラン9のお~い!久馬とヤナギブソンという面々。
ルールは、まず4組が1回戦、2回戦と無声映画の活動弁士にチャレンジ。その出来栄えを片岡さんが総合的に審査して2組を選出し、決勝戦を勝ち抜いたコンビが優勝。無声映画上映中は、もちろん柳下さんによるピアノ伴奏も! そのときの雰囲気や気分で柳下さんの伴奏が変わるところも見どころです。
もちろん活動弁士に挑戦するのは初めてという4組。はたしてどんな活弁を見せてくれるのでしょうか?

1回戦のお題は、昭和初期に作られた漫画映画「0助漫遊記(ぜろすけまんゆうき)」。主人公、0助が妖怪と遭遇するという無声アニメーション映画です。
トップバッターはミキ! 兄弟だけに息ぴったりの活弁が観られると思いきや、亜生が「兄ちゃん! 兄ちゃん!」と連呼するという展開に。
2番手のコロコロチキチキペッパーズはナダルが「作戦を立てました」と自信をのぞかせ…。3番手の自然は、里の美声を生かした構成に。「やりきった感はあります」と里。
ラストバッターのザ・プラン9は、「短編なので、大事なところに要点を絞る感じでやりたい」とヤナギブソン。お~い!久馬との掛け合いで、「0助漫遊記」のはずが「0助不動産」として展開。

1回戦が終わったところで、「本当の活動弁士とは程遠い!」と清水圭。
そこで、片岡さんと柳下さんに、「まぼろし峠」という活動写真で模範演技を見せてもらうことに。映像の迫力に合わせて緩急つけながら語りを展開する片岡さんの本物の凄みにどよめく出演者たちでした。

2回戦は、1930年代に撮られた「忍術真田十勇士」。あらゆるトリック映像がちりばめられた無声映画です。
トップバッターのミキは、亜生が健闘しましたが、やはり困ると「兄ちゃん!兄ちゃん!」と連呼。
コロコロチキチキペッパーズは「さっきよりさらに上に行きます」と意気込みますが、西野との息が合わず、終了後に揉めていました。
大自然は、白井が「昨日自転車を取られたんやけど、この映像の中に犯人がおる」という展開。
ザ・プラン9は、「忍術 真田十勇士」のはずが、またしても「真田不動産」の展開に。ミキ・昴生から「先輩やのに何してるねん!」とツッコまれていました。

2回戦を戦い終えたところで、決勝に駒を進めるのは大自然とコロコロチキチキペッパーズに決定!
片岡さんは、大自然を「1回線と2回戦の技術の進歩が一番顕著だった」と評価。
コロコロチキチキペッパーズは、「始める前に『よろしくお願いします』と言った礼儀」と、選出理由を明かしました。

決勝戦の前に、現在、活動弁士として片岡さんの元へ弟子入りしている京都府住みます芸人の月亭太遊が壇上に。
太遊は10月16日(日)、大江能楽堂で11:30から開催の「ショート・コメディ傑作選」にて活動弁士にチャレンジすることが決まっており、この日は予告編ということで活弁を披露することに。
太遊は「僕はラップが好きなので、今日はラップバージョンで活動弁士に挑戦します」と、1936年に撮られた無声映画「忍術大進軍」に合わせてラップ調の活弁を披露。出演者から「すごい!」と驚きの声が上がりました。
片岡さんは、「こういうのもありです。今、観ているお客様が楽しんでいることが大切」と太鼓判。清水圭も「感動しました。お見事でございました」と感動しきりでした。

決勝戦のお題となる無声映画は、1928年に撮られた「喜劇 スピーディーロイド」。
チャーリー・チャップリン、バスター・キートンと並び、世界3大喜劇王といわれるハロルド・ロイド主演の喜劇です。
まずは大自然から。「白井の思い描くコント案を、テレパシーで映像化して里に見せている」というユニークな設定で会場を沸かせます。
続いてはコロコロチキチキペッパーズ。ナダルは「活動弁士に興味が出てきました。今回は本気で伝えたいです」と気合十分で挑みました。

熱戦に片岡さんも悩んだようでしたが、優勝コンビはコロコロチキチキペッパーズに決定! 片岡さんは総評として、まず大自然の演技を「頭に思い描いていることを映像で見せているというシチュエーションは素晴らしかったです。しかし、これを何度も見たいかな?というと…」と疑問を呈し、「対してコロコロチキチキペッパーズは、『もう一度観たい』と思わせてくれました。落語もそうですが、古い、有限のものを『また観たい』ということを提示できるかというところで、コロコロチキペッパーズの方が素晴らしかった」と語りました。
優勝したコロコロチキチキペッパーズへは、片岡さんから金一封が贈られました。

太遊は「僕は、『変わったことをしないと』と奇をてらったけれど、ナダルのまっすぐな活弁を見て『負けた!』と思いました。大江能楽堂にも来てほしいです」とラブコール!? 最後に、片岡さんは「活動弁士グランプリで優勝したら、次回は長めの無声映画でやってもらうとか、今後そういう展開ができたらおもしろいですね」と今後の新たな展開に期待を込めていました。

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